股関節の前側が詰まるような
痛みはありませんか?
- 深くしゃがむと股関節の前が痛い
- 足を組むと違和感がある
- スポーツ中に股関節が引っかかる感じがする
- レントゲンでは異常なしと言われたが痛みが続く
その症状は、FAI(大腿骨寛骨臼インピンジメント症候群)かもしれません。

FAIとは何か?
FAIとは、
大腿骨(太ももの骨)と寛骨臼(骨盤の受け皿)が動作時に衝突してしまう状態
を指します。
本来、股関節は滑らかに動きます。
しかし骨の形状にわずかな特徴があると、「曲げる」「ひねる」動きで骨同士がぶつかり、関節唇や軟骨にストレスがかかります。
放置すると
どうなるのか?
衝突が繰り返されると、
・関節唇損傷
・軟骨摩耗
・炎症の慢性化
が起こり、
将来的に変形性股関節症へ進行する可能性があります。
FAIのタイプ
- Cam型(大腿骨側が出っ張るタイプ)
- Pincer型(受け皿が深いタイプ)
- Mixed型(混合型)
最も多いのはMixed型です。
FAIの本質は
「股関節だけの問題ではない」
これまで多くのFAI症例を評価してきましたが、明確に言えることがあります。
FAIは股関節単独の問題ではありません。
鍵となるのは、上半身と下半身の運動連鎖の破綻
体は本来、
足 → 膝 → 股関節 → 骨盤 → 体幹 → 胸郭 → 肩
と連動して動きます。
しかし、
- 胸郭の可動性低下
- 体幹回旋不足
- 骨盤と胸郭の分離不良
- 上半身主導の動作が作れない
このような状態になると、股関節に負担が集中します。
その結果、屈曲+内旋で衝突が起こりやすくなるのです。

なぜ「曲げる+内旋」で
痛むのか?
FAIの特徴は、股関節屈曲+内旋での疼痛です。
これは単純な骨の問題ではなく、本来、体幹や胸郭で分散されるべき回旋ストレスが股関節に集中している状態です。
つまり、運動連鎖が破綻した結果として、衝突が起きていると考えています。
当院の治療アプローチ
①股関節局所の詳細評価
- 可動域
- 衝突角度
- 疼痛誘発動作
- 関節包の緊張
- 左右差
を徹底的に評価します。
②胸郭・体幹の可動性改善
FAI患者に多いのは、
- 胸椎伸展制限
- 胸郭回旋制限
- 肋骨の可動性低下
これらを改善することで、股関節への負担を大きく軽減できます。
③骨盤―体幹の分離再教育
重要なのは、骨盤と胸郭が独立して動けることです。
分離ができない状態では、
- しゃがむ
- 走る
- 方向転換する
- 蹴る
といった動作で股関節が代償します。段階的なエクササイズで上半身と下半身の協調性を再構築します。
④動作再学習(最重要)
痛みを取るだけでは再発します。
当院では、
- スクワット動作修正
- 片脚支持での体幹制御
- 回旋動作の再教育
- 競技特性に合わせたフォーム改善
を行い、「ぶつからない身体の使い方」を身につけることを最終ゴールとしています。
手術が必要な
ケースについて
以下の場合は整形外科での精査を推奨します。
- 安静時痛が強い
- 著しい可動域制限
- MRIで重度関節唇損傷
- 保存療法で改善しない
必要に応じて医療機関と連携します。
当院の治療アプローチ
- 股関節の前が詰まる
- なんとなく違和感がある
- スポーツ時に痛む
その段階での介入が重要です。
FAIは適切に評価し、運動連鎖を整えることで改善する可能性があります。
股関節の違和感を感じたら、一度ご相談ください。